日時: 1996年10月25日(金)-27日(日)
場所: 筑波大学 農林技術センター八ヶ岳演習林 (長野県)
講師: 青木 孝之 先生 (農林水産省 生物資源研究所)
参加: 11名
1996年度の菌学ワークショップは、1996年10月25-27日に筑波大学農林技術センター八ヶ岳演習林にて開催されました。
今回のテーマは「異担子菌類の分類」で、青木孝之博士(農林水産省農業生物資源研究所)を講師に迎え、異担子菌類の採集法、観察法、同定法などについてわかりやすく講習していただきました。参加者9名はカラマツの黄葉が見事な高原の秋に囲まれて3日間の講習を受けました。
第1日目は異担子菌類についての概要をテキストに基づきながら講義していただき、翌日の採集に備えました。
第2日目は午前中演習林へ出かけ採集し、午後は採集品や青木講師持参の標本に基づいて観察と同定を実習を行いました。本来は雪解け直後から春を中心とした季節が採集の適期ですが、運良く多彩な採集品が得られました。
同定のポイントである担子器および担子胞子の誘導についても指導していただき、参加者も熱心に各自の採集品を使って実際に誘導実験を行いました。懇親会にもその熱気が持続され、焼き肉の食欲も一段とヒートアップしたようでした。
最終日には、昨夜誘導した担子器や担子胞子を観察し、それらに基づいて日本産異担子菌類の同定ポイントを解説していただきました。キクラゲの仲間は、中華料理の材料としてはなじみがありますが、青木講師はキクラゲだけに代表されない異担子菌類の多様性について熱心に解説していただきました。
参加者の感想
「先日はお世話になりました。今回のワークショップでは、比較的少人数のこともあり、いろいろ質疑ができ、また、機材を十分に利用することができました。
会の懇親中でもお話ししましたが、真菌の技術ならびに知識につきましては、職場での知識がなく、今回の実技を交えた講習は、非常に貴重な体験となりました。
来年のワークショップも時間を調整して、是非参加したいものと考えております。今後ともよろしくご指導のほど御願いいたします。」