日時: 2009年10月22日(木)~24日(土)
場所: 筑波大学 菅平高原実験センター (長野県)
講師: 岡根 泉 先生 (独)製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部
2009年10月22日〜24日、筑波大学菅平高原実験センターにて、第22回菌学ワークショップ「植物内生菌の分離と観察」を開催しました。講師は、(独)製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部の岡根 泉先生にお願いし、17名の参加者(会員16名、非会員1名)がありました。
初日,植物内生菌についての講義をいただき、つづいて内生菌分離のための実習に入りました。表面殺菌法による試料(健全葉)の処理から培養までのステップを行いました。表面殺菌法を行う上でのポイントを教えていただき、そこさえ守れば、立派な無菌処理施設が無くても十分作業を行うことができることが分かりました。
2日目は、岡根先生が実際に行われてきた研究、「ツツジ科植物の内生菌」、「オヒルギの内生菌」、「アッケシソウの内生菌」について紹介していただき、植物と内生菌の様々な関係に関して理解を深めることができました。また、結果の生態的解析方法についても解説していただき、そのソフトウエアの入手先についても紹介いただきました。今回の実習のため、塩性植物と亜熱帯性植物の内生菌を中心に91菌株の培養菌株をご用意いただき、顕微鏡観察をしました。教科書の他、コロニーの写真や今回の講義の資料等を収めたCDも作成していただき、実習後も活用できると思います。また、電解研磨による分離用のタングステン針作成法も紹介いただき、参加者の方々には実際に作成し持ち帰っていただきました。
大変盛りだくさんの内容で、菌株もすべてを見ることはできませんでしたが、内生菌に興味があった方、これから研究してみようという方にとって、内生菌とはどんな生き物なのか、どんな生き方をしているのか、その研究方法を理解する上で、たくさんの情報を提供いただけたと思います。
岡根先生には、お忙しいにもかかわらず、講師をお引き受けいただき、たくさんの培養菌株やテキストを準備していただき、ありがとうございました。参加された皆様、ご協力ありがとうございました。
WS担当幹事 山岡 裕一