第22回 ワークショップ報告 「微小菌類の同定のポイント(土壌菌を中心に)

日時: 2008年6月26日(木)~28日(土)
場所: 筑波大学 菅平高原実験センター (長野県)
講師: 徳増 征二 先生 (筑波大学菅平高原実験センター)

 2008年6月26日〜28日、筑波大学菅平高原実験センターにて、第22回菌学ワークショップ「微小菌類の同定のポイント(土壌菌を中心に)」を開催しました。講師は、筑波大学菅平高原実験センターの徳増征二先生にお願いしたしました。22名の参加者(会員16名、非会員6名)があり、特に若い方々にたくさんご参加いただきました。初日は、オリエンテーションに続き、徳増先生に「最近の菌類の系統分類」について講義をしていただき、特に接合菌類が現在どのように位置づけられているかご紹介いただきました。

 2日目午前中は、土壌菌類の採集、分離、観察、同定の方法について講義していただきました。特に分離方法については、論文や教科書に書かれていないような情報や作業上のコツを教えていただきました。今まで研究を行ってきた方々にとっても、大変役立つ情報、アイデアをいただけたと思います。引き続き、ケカビ目の各属の特徴、Mortierella 属、Umbelopsis 属の特徴と同定のポイント、不完全菌類の胞子形成様式と同定のポイントについて解説していただきました。キーになる重要なポイントを皆さんにご理解いただけたと思います。

 その後、顕微鏡観察の実習に入り、3日目の昼前まで、たっぷり菌類の観察をしました。接合菌類12属21種、不完全菌24属27種の培養菌株を準備していただき、接合菌類各属の胞子嚢や接合胞子の形態的特徴を観察することができました。これだけたくさんの接合菌類の属を一度に集めて観察する機会はなかなかないと思いますが、今回は大変貴重な経験ができたと思います。不完全菌についても、様々な分生子形成様式を一度に観察、比較することができ、大変勉強になりました。また、Cladosporium 属菌とAspergillus 属菌に関しては複数の種を観察することができ、それぞれの種の特徴を比較することができました。

 徳増先生には、お忙しいにもかかわらず、講師をお引き受けいただき、丁寧に書かれたテキスト、たくさんの培養菌株の準備をしていただき、ありがとうございました。あっという間に過ぎた3日間でしたが、大変有意義なワークショップになったと思います。参加された皆様、ご協力ありがとうございました。

 WS担当幹事 山岡 裕一