第30回 菌学シンポジウム報告 
「日本でがんばる外国からの菌学者の卵たち」

日時: 2015年12月12日(土) 13:00-17:00
場所: 北里大学白金キャンパス 北里生命科学研究所 211・212講義室
参加人数: 41名

 2015年12月12日(土)北里大学にて、第30回シンポジウム「日本でがんばる外国からの菌学者の卵たち」を開催しました。

 日本では様々な分野で国際化の必要性が指摘されています。学問の分野でも、そしてもちろん菌学研究でもそれは例外ではありません。ところが日本の菌学研究においては、絶対数こそ多くは無かったかもしれませんが、外国人菌学者との交流は、はるか前から活発に行われてきました。そして最近になって特に目立ってきたのが、外国からはるばる日本に来て菌学を研究する、若手菌学者(大学院への留学や、ポスドク等の若手研究者など)の増加です。みなさんも各種学会などで、そのような外国人若手菌学者の姿を目にする機会があるのではないでしょうか?

 日本に長期間滞在する外国からの若手菌学者が増加している状況にありながら、彼らがどのような研究をしているのか、人知れずどのような苦労を体験しているのかなど、われわれが知らないことはたくさんあります。そこで今回のシンポジウムでは、日本で菌学を研究中の5か国の若手研究者(中国、オーストラリア、タイ、ブラジル、ベトナム)を招待し、研究内容について紹介してもらうと同時に、日本で苦労した経験や、日本において菌学を研究する良い点・悪い点などを発表していただきました。

 講演は全て英語だったので、例年に比べると活発な議論になりにくいことも危惧しておりましたが、研究発表だけでなく日本における社会生活の経験など、理解しやすい内容も含まれていたこともあり、講演後の質疑応答や懇親会での演者たちとの交流は十分にできたのではないかと感じます。

 今回演者として講演いただいたみなさんだけでなく、まだまだ日本に滞在して研究活動を続けている外国人若手研究者がたくさんいます。まずはお互いに顔を合わせ、何を研究しているかを知るだけでも、今後の研究活動や生活全般が楽しく充実したものになるのではないかと考えて今回の企画を立案しました。その目的は十分に果たせたのではないでしょうか。講師のみなさま、および参加者の皆様に感謝申し上げます。

シンポジウム担当幹事 保坂健太郎