日時:2023年10月14日(土)〜15日(日)
講演会会場:塩原温泉ビジターセンター
宿泊・スライド発表会会場:湯荘白樺
観察会・鑑定会会場:箱の森プレイパーク
参加人数:32名
2023年10月14日、15日、栃木県那須塩原市にて、日本菌学会関東支部の第37回の菌類観察会を開催しました。栃木県での開催は2010年の日光市以来13年ぶり3回目となります。また、近年はコロナ禍の影響で宿泊を伴った観察会を実施しておりませんでしたが、新型コロナ感染症が2類から5類に引き下げられたことを受け、5年ぶりの宿泊を伴った開催となりました。
初日は塩原温泉ビジターセンターにて、栃木県立博物館の山本 航平博士をお招きし、講演会を実施しました。講演会では山本博士ならびに担当幹事が、地元の栃木県で観察された地下生菌や冬虫夏草について、これまでの歴史なども交えて紹介しました。
・大前 宗之(株式会社北研)「栃木県の地下生菌」
・山本 航平(栃木県立博物館)「栃木県の冬虫夏草」
質疑応答では多くの質問が飛び出し、貴重な意見交換の場となりました。
講演会後は宿舎「湯荘白樺」に移動し、夕食となりました。その後、懇親会となり、参加者同士が話したり、モニターで菌類の写真を見せたりするなどして、夜遅くまで交流、意見交換がなされました。
2日目は箱の森プレイパークに移動し、菌類観察会が実施されました。観察会場はコナラやアカマツ、モミなどの混交林のほか、芝生や水辺などもあり、それぞれの環境に適応した菌類の発生が期待できます。観察会は生憎の雨でしたが、各自が公園内を散策し、多くの菌類が採集されました。
観察会後は昼食を挟んだのち、鑑定会が行われました。鑑定会では多くの専門家が各自の専門分野の菌類について解説されました。国内での発生の少ないニンギョウタケモドキや、担子菌地衣類のイトアミゴケ属の一種、アカモミタケに寄生するHypomyces属など珍しい菌類も採集され、合計152種もの菌類が同定されました。
鑑定会後は雨もやみ、記念撮影をしてからの解散となりました。久方ぶりの宿泊を伴った菌類観察会でしたが、参加者の皆様のご協力のおかげで、大きなトラブルもなく、無事に閉幕を迎えることができました。
最後になりましたが、塩原温泉ビジターセンターの細井 康弘 様、箱の森プレイパークの宇津野 健 様には貴重な講演会場、観察会場をご提供頂きました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
第37回菌類観察会 採集標本リスト