日時: 2006年9月9日(土)-10日(日) ※第20回ワークショップ: 9月7日-9日
観察地: 筑波大学菅平高原実験センター (長野県)
宿泊: プチホテル・ゾンタック
9月9日(土)~10日(日)、2006年度日本菌学会関東支部菌類観察会を長野県上田市の筑波大学菅平高原実験センター構内で行いました。
今年の観察会では、顕微鏡を使える環境を重視して、筑波大学菅平実験センターで行われました。参加者各自が自ら採取した菌類を、自分の目で直接検鏡し、同定作業に関わっていただこうという狙いがありました。
かつて日本菌学会、そして関東支部などが菌類採集会を始めた頃には、まだアマチュア団体などが未成熟でした。しかし昨今は、秋ともなると各地で採取集会が行われるようになりました。一部のアマチュア団体を除けば、採集品の鑑定に顕微鏡を使うことはなく、ただ外見だけによる同定方法が採用されています。
いやしくも「学会」を名乗る観察会が、採集されたきのこを外見だけで同定していてよいのだろうか。広く行われているアマチュア団体による鑑定会はかなり高レベルになっており、旧来のままのやりかたでは、菌学の進歩・普及には貢献できないのではあるまいか。それが、今回顕微鏡を表面に出してきた大きな理由です。
開始前日までに不参加になった方が一名おりましたが、一件のドタキャンもなく、予定時刻には夕食兼懇親会を始めることができました。今年は、具体的日程・場所などの発表が遅れてしまったこと、各地のきのこの会の観察会・例会などの日程と重なってしまったことなどあり、参加者は例年に比較してかなり少なく、総勢23名となりました。
初日の観察会第一部は、菅平実験センター構内で行われました。第一部参加者は既にワークショップでの実習の際に、きのこの発生の悪さを痛感していました。今年の菅平は異常に気温が高く、きのこの発生は例年になく悪く、思わぬ蚊の襲撃に悩まされました。ただ、きのこ以外の菌類では思わぬ成果もありました。
第二部からの参加者は、当夜の宿舎であるプチホテル・ゾンタックで受付を済ませました。この日の夜は、全員でバイキング方式の懇親会を行い、参加者一同親交を深めました。第一部からの参加者の声を聞いたからでしょう。第二部からの参加者から、「第一部と第二部の採集地が同一場所というのはいかがなものだろうか。前日と同じ場所ではなく、どこか別の場所で第二部観察会を催したらどうか」という意見もありましたが、今回は見送りました。
翌10日の観察会第二部は、当初の予定通り筑波大学菅平実験センター構内で行いました。朝から顕微鏡観察をする参加者、元気にフィールドに出る参加者がいましたが、何人もが長時間室内で、顕微鏡観察を続けていました。こういう現象はいままでは全くみられなかったことです。改めて顕微鏡観察の面白さを知ったとの声がいくつもありました。
あまり集まらないのではと危惧していましたが、かなりの数のきのこが集まり、中にはツノシメジなどの珍菌などもありました。きのこが少なかったことや、目の前に何台もの顕微鏡が並んでいることもあり、図鑑との絵会わせに走る参加者がほとんどいなかったことが目立ちました。鑑定にあたっても顕微鏡がよく使われていました。
昼食後は、同定作業に従事する方、顕微鏡観察を続けるかた、再度フィールドに出ていく参加者などがありました。とても暑くて蚊に悩まされた2日間でした。午後2:00に鑑定会も終わり、全員でセンター前で記念撮影をし、解散しました。
なお、懇親会費用が思いがけず安く済んだこともあり、参加者には1,000円の割り戻しを行いました。迷子も、ひとりのけが人もなく今年も無事に観察会を終了できたことを感謝します。
採取種:39種