日時: 2024年4月20日 13:00-17:20
場所:東京農業大学 世田谷キャンパス アカデミアセンター 横井講堂
参加人数:47名(話題提供講演演者および勝本賞受賞者を含む)
令和6年度年次大会は、東京農業大学様のご協力により、世田谷キャンパスのアカデミアセンター 横井講堂にて完全対面により開催いたしました。年次総会、勝本賞受賞式、話題提供講演が行われました。今年度から、一般講演者のご負担を減らすために、要旨提出を任意とし、一般講演の他に「学生講演」と「その他講演」の枠を新設し、新たな形での講演も取り入れました。
話題提供講演では、村上 周一郎 教授(明治大学 農学部 農芸化学科)による「低温性接合菌~熟成肉製造で活躍する影の主役たち~」という演題でご講演いただきました。接合菌類の食品応用に向けた取り組みや課題、さらなる展開について分かりやすくご説明いただきました。
一般講演(3題)、学生講演(5題、*で表示)及びその他講演(2題、**で表示)は以下のとおり発表がありました(発表順にてタイトルと発表者のお名前を示します)。
1)室内環境における好乾性真菌 Aspergillus 属 Restricti 節の種多様性と分布特性(日本大学薬学部 萩生田 遼)2)胞子世代の形態に基づいた東南アジア・オーストラレーシアに分布するブドウ葉さび病菌の分類学的検討(筑波大学理工情報生命学術院 浮田 桃子*)3)メタバーコーディングによる常緑樹生葉の担子菌相調査(筑波大学理工情報生命学術院 秋成 怜美*)4)子嚢菌類に内生または外生する細菌の検出(茨城大学大学院農学研究科 大坪 華蓮*)5)札幌市内のクロカワゲラ科(カワゲラ目)幼虫の後腸から採集されたEjectosporus sp. について(森林総合研究所 佐藤 大樹)6)コケ植物生菌 Lamprospora dicranellae,Neottiella ricciae(チャワンタケ目,ピロネマキン科)の日本新産報告(神奈川県立生命の星・地球博物館 菌類ボランティア 細野 天智)7)低温環境下でキュウリおよびトマトの生育を促進するDark Septate Endophytesの選抜(茨城大学大学院農学研究科 出口 陽菜*)8)ホウレンソウへの耐暑性および耐酸性を付与する根部エンドファイトの探索(茨城大学大学院農学研究科 須之内 真穂*)9)第37回菌類観察会で見られたイトアミゴケ属菌について(信州大学農学部 升本 宙**)10)ユキボシ(Chionaster nivalis)は流れてくるのか?(筑波大学 山岳科学センター菅平高原実験所 出川 洋介**)
講演会に先立って行われた年次総会では、令和5年度の活動報告および令和6年度の活動計画が報告・承認されました。
勝本賞については、第9回授賞団体が安藤勝彦選考委員長より発表され、「菌学の発展のために、菌類の研究、教育、普及に貢献している関東支部に関連する研究会や同好会等の団体」として「千葉県菌類談話会」が受賞し、受賞式が執り行われました。
懇親会は東京農業大学国際センターのレストランスペースにて開催されました。学生さんを含む多くの方々にご参加いただき、話題提供講演の村上教授とも親睦を深め、有意義な意見交換の場となりました。
今大会は招待演者を含め47名のご参加を賜り、盛会のうちに終了致しました。今後も、菌類に関する研究成果だけでなく、菌類に関する新たな発見や気づきを発表し、専門家のアドバイスをもらう場として関東支部年次大会をご活用いただけましたら幸いです。
最後に、ご参加いただいた皆様、演者の皆様、会場準備にご協力いただいた皆様に深く御礼申し上げます。
年次大会担当幹事 関本 訓士・山口 薫