日時: 平成25年4月20日(土) 12:30-17:00
場所: 日本大学薬学部831A教室
参加人数: 61名
今大会の話題提供講演は、「泳ぐカビ:ツボカビの多様性と生態」と題して、鏡味麻衣子先生(東邦大学)による「湖沼におけるツボカビの多様性と機能」、長野由梨子先生(海洋研究開発機構)による「深海の未知なる多様性“泳ぐカビ”」という2題の講演がありました。日本におけるツボカビ研究は、研究者の数も少ないことからこれからの発展が期待される研究分野ですが、その生態学的重要性や極限環境にまで及ぶ多様性が明らかにされつつあることが、お二人の講師から紹介されました。これを機に、ツボカビ研究にチャレンジする若手研究者が増えていくことを期待したいと思います。
一般講演では以下の6題の発表がありました(タイトルと発表者のお名前を示します)。
1)糸状菌Nectria haematococcaの菌糸内の核の分裂(カネコ種苗株式会社 井上 哲)、2)2011-2012年に筑波山で採集されたハルペラ目菌類について(森林総合研究所 佐藤大樹)、3)高山帯に生育するツツジ科植物と共生する根内生菌の多様性(日本大学薬学部 広瀬 大)、4)スッポンタケ目の分子系統で得られた新知見(国立科学博物館 保坂健太郎)、5)イグチ科シクエストレート菌Chamonixia caespitosa の日本における初記録と系統地理(神奈川県立生命の星・地球博物館 折原貴道)、6)アカキクラゲ類の多様な“きのこ”はどのように進化してきたのか?(国立科学博物館 白水 貴)以上。
講演会に先立って行われた年次総会では、第14期の新会長および新幹事の承認と紹介が行われました。そして、小野義隆(茨城大学教育学部)新会長の下、さらに会員の皆様にご満足頂けるような平成25年度企画の数々が紹介されました。また、これまでのオークションの売上金を活用したアジア国際菌学会議(8月、北京)へ参加する若手研究者への渡航援助の応募結果が示され、大学院博士課程の学生2名の紹介も行われました。有意義な会議参加となることを期待します。
今大会も61名のご参加を賜り盛会となりました。今後は、特に学生の皆さんの発表の機会を多くするよう努めて参りたいと思っておりますのでご協力をお願いいたします。
ご参加いただいた皆様、演者の皆様、会場準備にご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
年次大会担当幹事 岡根 泉